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The Story of Forest Rail

2015/02/28 開設 - 2017/04/11 更新

The Story of Forest Rail

中国を拠点に活動するUnion Workshopより、日本の原風景の中を走る架空路線「森鉄物語」がリリースされました。Just Trainsで先行リリースされた後、Steamでも発売されています。

路線概要

北海道にかつて存在した「ふるさと銀河線」(2006年廃止)がモデルの架空路線で、その名は「松原鉄道」。戦後まで木材貨物と旅客輸送で賑わった路線を1990年代に復活させた現代の観光鉄道という設定。それを基に描いた日本の農村の原風景、そして作者の趣味や好みが多数つめ込まれた幻想的な路線です。

架空ですが、SteamのDLCとして配信された路線アドオンで初の「日本」の路線となりました。

車両はキハ07形タイプの松原鉄道キハ750形、そしてもう1つ、ある気動車が入ります。

紹介と感想

発表から発売まで

2014年7月、TSプレイ時の読込画面にて開発中アドオンの衝撃的な姿が目に入りました。日本のキハ07そっくりの気動車が、明らかにアジアの風景を走っている。これは只者じゃないと思いました。アドオンの名は「The Story of Forest Rail」。風景は明らかに欧米じゃなくてアジア、そして日本だ、開発元は有聯工作室とあるから中国か台湾の人だと。

実はこの方、2012年に山陽新幹線のフリーアドオンを開発した中国の開発グループだったのです。過去には中国の重慶モノレールも作っていたことも、公式記事で紹介されています。車両は確かにキハ07。軌間も1067mm狭軌のはず。アドオン名と風景からして架空の路線だという確信はありました。

Dovetail Gamesは古くからサードパーティーとの提携に積極的で、少し前に南アフリカの路線を出すとの発表があってから間もない時期です。日本人で名乗り上げる人がいない中での中国の方による日本路線というのは複雑な気分でしたが、出来不出来は関係なく、日本に目を向けてくれたことに感謝しつつ続報を待ちました。

しかし、それから半年間は音沙汰もなく推移。南アフリカの路線は出ましたが、日本路線はあまりにも発表がないせいで、一時は開発中止になってしまったのではとも考えました。ですが、開発は着実に続いていました。

JustTrainsでの発売

2015年1月初旬、JustTrainsで一足先にアドオンが発売されました。その中身は予想を良い意味で裏切るものでした。

北海道のふるさと銀河線をモデルにした架空鉄道。総延長は本線の「松原線」と支線の「大山口線」を合わせて約135km、軌間は日本で一般的な1067mm狭軌。

キャリアシナリオは純粋に列車の運転に特化していますが、スタンダードシナリオは松原鉄道に入社した主人公の視点で描かれるストーリー仕立てのシナリオで構成されており、他のTSのアドオンとは一線を画す内容となっています。

日本の風景オブジェクトは、約1.4GB相当をモデルから音声まで大半が新規制作。動植物や草木の表現にも力が入っていて、春には桜の花びらが舞い、秋には紅葉もします。草花には蝶がとまり、夏の夜にはホタルが飛び交います。カッコウの鳴き声も聞こえ、秋には虫も鳴きます。

1067mm軌間に対応した線路が9種類、鉄橋や信号、標識もしっかりと「日本でお馴染み」のスタイルです。沿線施設も大小のお寺や神社と鳥居、住宅や商店、更には灯篭流しまで様々な「日本」が取り揃えられています。宮﨑駿監督の映画「千と千尋の神隠し」に登場する油屋をモチーフにした建物があったり、同作の海原電鉄に登場する駅名が取り入れられているのも見逃せません。

最初はすぐに入手しようと思いましたが、約30ドルの価格、登録とインストールの面倒さ、そして何よりもSteam出でるのかが引っ掛かっていました。程なくして、Steam版が出ることはDTGからも発表されました。

Steamでの発売後

2015年1月19日、長い沈黙を経てついにSteamで発売されました。価格は2480円。Steamでは南アフリカの実在路線に次いで2例目の狭軌路線のアドオンともなりました。

Steam版が安いのには理由があり、JustTrains版で5つある標準シナリオがSteam版では2つが削られて合計3つのみしか収録されていないのです。どちらも主人公主体で描かれるシナリオで、ストーリーの内容がSteamの年齢制限に引っ掛かり、入れると全年齢向けに出せないとのこと。再び迷いが生まれました。

しかし、JustTrainsは少々購入が面倒で、セールもいつ来るか分からない。そして、シナリオ数以外の違いは全く無い。だったら最初からSteam版を安く手に入れ、それからでも遅くないと判断。運良く2015年3月にSteamの大規模セールで半額となったので、このタイミングで入手しました。

なお、未収録のシナリオについては後に開発者により2件ともSteamワークショップへ投稿されています。

沿線風景は悪くなく、針葉樹林や湿原など北国らしさも感じます。ただし少し大陸テイストも入っている気がします(北海道自体がそうだとも言える)。沿線には炭鉱や貯木場など産業施設の名残があり、最盛期の面影を感じさせます。貨物列車のシナリオも作れますね。

Steamのレビューは予想通り、日本人プレイヤーからは否定意見が目立ちました。こんなの日本じゃない、操作がおかしい、意味がわからないなど。電車でGOやBVE並を期待してた方には期待はずれと感じた方が多いようです。やはりここは割り切って「中国の人が描いた日本の原風景のイメージ」を楽しむのが一番良さそうです。

実用面で唯一気になる点が、線路の勾配です。平気で連続50パーミルの登山鉄道並みの勾配があったり、炭鉱へ繋がる分岐線に至っては70パーミルです。こればかりはMODでは直すわけにはいかないし、架空の路線と地形の都合とはいえ、この勾配を越えれる車両は相当限られそうです。

中国の作者が作り上げた日本の原風景。細かいところを気にしなければ、雰囲気は十分に出ています。日本に住む日本人の皆さんも、是非楽しんでみませんか。

路線概況

路線の原点座標は、北緯43.2418度 東経143.546度(Google)の場所。架空世界では拠点の松原駅、現実世界ではかつてのふるさと銀河線足寄駅の場所になります。

駅名は路線ごとに漢字、ひらがな、ローマ字の順に載せていきます。

松原線

松原から北へ向かう本線。起点の松原駅はふるさと銀河線の足寄駅、沼底駅が陸別駅、終点の林甸場駅は置戸駅に相当する位置にあります。ふるさと銀河線の線形に忠実な線形を取っています。

大山口線

沼原から西方向へ分岐、急勾配を登っていきます。ループ線だけで4ケ所、支線にはスイッチバックがあったりという山岳路線になっていて、純粋な架空路線としてフリーダムな線形。奈何町駅から先はかつての士幌線の線形をなぞり、沢湖川駅は糠平駅に相当する場所にあります。大山口方面は休止中?

車両

車種の選定

松原線の主力車両キハ750形は、1930年代から1960年代まで活躍したキハ07形気動車がモデルです。戦前から戦後まで長らく使われたレトロ感あふれる車両、田舎の郷愁感を演出させる存在には最適な存在であると思えます。キハ10系や20系だと、どうしても戦後に限定されてしまいますし。

キハ720形は存在自体が不思議な車両です。観光鉄道開業の足掛かりにとガラクタ置場から安く譲り受けたという設定とはいえ、どこに「香港のバス」という代物が転がっていたのか。原作者の作りかけのモデルの中にも転がっていたであろう気がします。運転にはまず「こんなの鉄道車両じゃねえ」という先入観を捨てることになりそうです。

現代の観光鉄道の設定であるゆえに、貨物列車は出ません。DD51の重連とかで峠を越えた石炭や木材の輸送も試してみたいです。客車列車も入れるなら、35系、43系や50系51形が最適な気がします。

キハ750
キハ750
キハ720
キハ720

再現要素

キハ07は原型に近いものが九州鉄道博物館に、手の加わった動態保存車が岡山の旧片上鉄道に残っています。モデルや音はこの辺を取材したものと思われます。ブレーキ挙動の再現には力を入れてないようで、自動空気ブレーキでない現代の電気指令式寄り、圧力計の針の動きも結構適当。

文字通りの「レールバス」であるキハ720形の出自は、香港のミニバスです。20年もののトヨタ・コースターのB20系とのことで、香港時代の行先表示「屯門-啓徳機場」がそのまま残っています。啓徳空港は1998年の新空港移転まで存在した国際空港。なので間違いなくそれ以前の年式なのは容易に想像できます。

自作MOD

公開済み

成果物はMOD公開ページにあります。

製作中

作りたいのが溜まっています。しばしお待ちを。