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Sherman Hill

2015/11/16 開設 - 2017/03/31 更新

Sherman Hill

ユニオン・パシフィック鉄道が運営する大陸横断鉄道の中から、ワイオミング州のシャイアンとララミーの間の60マイルを結ぶルートが再現されました。

2012年4月にTrain Simulator 2013の標準路線として収録、単品販売を経て2015年9月リリースのTrain Simulator 2016の標準収録路線にもなっています。

路線概要

最初の大陸横断鉄道のルートを構成するこの区間は、ユニオン・パシフィック鉄道の手によって1868年に建設されました。ワイオミング州のシャイアンとララミーの間は大陸横断鉄道の最高地点を通り、なおかつ荒れ果てた砂漠地帯を通ります。現在は旅客列車は走らず、専ら貨物列車のみの運用となっています。

起点のシャイアンはワイオミング州の州都かつ州最大の都市ですが、人口は5万3千人ほどしかいません。西部開拓の拠点であるとともにユニオン・パシフィック鉄道の開通により発展した鉄道の町でもあり、鉄道博物館には蒸気機関車も保存されています。ララミーも同じく鉄道の開通で発展した町です。

このルートに特化した急勾配用機関車も有名であり、蒸気機関車ではビッグボーイとチャレンジャー、無煙化後は出力7500馬力のガスタービン機関車やDDA40Xディーゼル機関車が導入されたことでも知られています。

車両はユニオン・パシフィック鉄道のディーゼル機関車と貨車を多数収録。用途も本線向けから入換機まで幅広く揃っています。

紹介と感想

TS2013で新登場

この路線の初出は、2012年9月のTrain Simulator 2013の基本付属路線からでした。翌10月2日に単品アドオンとして出ています。

この当時の線路や風景は2016年までの新作路線にも多く使われており、現在に繋がる路線表現の基盤が出来た、と言っても過言ではないはずです。

バンドルで入手

入手したのは2015年、TS本体から見ても比較的早い時期でした。ユニオン・パシフィック鉄道という大鉄道会社、ワークショップシナリオ数の多さ、車種と線路の豊富さ、そしてビッグボーイという蒸気機関車の存在が決め手でした。

ビッグボーイは、SD40のユナイテッドウェイ塗装バンドルにもありました。

砂漠を駆け抜ける

走った印象は、砂漠地帯の開放感。そして比較的線形がよく速度が出しやすい。勾配迂回線が豊富、開けてる土地に鉄道の最高地点がある。などなど、惹かれた点は数多いです。

ユニオン・パシフィック鉄道の路線でUPの機関車を体験。機関車側面の星条旗と「Building America」のモットーが入った姿がいかにも「アメリカ」で印象的です。

列車の種類も色々。二段積みコンテナ列車は絵になる風景。ほかはホッパ車、車運車の列車が多い印象です。

速度に縛られることがあまりないためか、ドナー峠ほど退屈はしません。距離が短いのもありそうですが。

TS2016で再録

2015年9月に出るTS2016。そのうちのアメリカ路線として選ばれたのは、シャーマンヒルでした。

最大の目玉は、出力8500馬力に達するガスタービン機関車の存在。これがTS2016の本体限定で収録され、その走る基盤にこの路線が再び選ばれたわけです。3年前の路線とはいえ、見劣りはしません。

2016年9月18日、本体がTS2016へ更新。UIが変わらずでしたが、路線は確かに更新。RailFanの線路、新しい貨車の走行音、SD70の音も一新。どれも良く進化した音でした。

TS2016は、セールで本体ごと上書き入手しました。これにてガスタービンがお目見え。轟音と強力さが体感できることになります。

アドオンは単品販売のほか、TS2016のうちこの路線関連の車両だけをまとめたSingle Route Editionが用意され、後に他の米国路線も含めたFirst Class Editionも出ました。エディションと価格設定が複雑なのが難儀します。

タービンの轟き

戦後すぐより大出力の機関車を求めていたユニオン・パシフィック鉄道は、は少ないスペースで大きな力を出せるガスタービン機関車を開発しました。試作車の製造を経て1950年に量産車が登場。2車体連結かつ後部には蒸気機関車の炭水車を転用した燃料用のテンダを繋ぎ、出力は8500馬力を誇りました。航空機では一般的なガスタービンエンジンを応用したわけですが、騒音が非常に大きく「ビッグブロー」とも呼ばれました。

設計自体は良好であったものの騒音と燃費の悪さが仇となり、1970年代にディーゼル機関車にあとを譲って引退しました。イリノイ州とユタ州の各博物館に1両ずつの計2両が静態保存されています。

TS2016のテーマ「エクストリーム」に相応しいその巨体、出力、そして騒音。その列車で大陸横断鉄道の最高地点を越えるのですから、魅力も大きいでしょう。日本でも気動車としてキハ391形ガスタービン車が開発されていましたが、もはやそれとは比べ物にはならないくらいの存在感であります。

TS2017移行後

2016年9月にTS2017へ移行。その後どうなるかと思いましたが、なんとシャーマンヒル路線に標準でつくことになったのです。途中過程で追加された無償アドオンも含めて。

これはシャーマンヒル路線を持つ人全員が対象で、TS2016を入手してない人にも配られました。ありがたい選択肢です。

車両紹介

本線用電気式ディーゼル機関車の主力機は、GEのES44AC。次世代機「エボリューション・シリーズ」の1系列として量産中。

SD40-2は、ユニオン・パシフィック鉄道も約600両を導入し、主力機として運用されています。標準塗装を収録。

1950年代に登場したEMD製の旧型入換機を、1978年よりに更新改造して生まれたのがSW10です。UP鉄道に残った1両は、シャイアンの操車場の入換車として活躍します。

SD70MはEMDが1990年代より製造する6動軸ディーゼル機関車。運転台の幅が広いコンフォートキャブを採用しています。

ガスタービン機関車は1950年代に登場。最大で8500馬力の出力を発揮しました。轟音で燃費が悪く短期間で引退しましたが、その迫力は大きいです。TS2016で初収録。

ES44AC
ES44AC
SD40-2
SD40-2
SD70M
SD70M
SW10
SW10
ガスタービン機
ガスタービン機

アドオン紹介

ビッグボーイは、ユニオン・パシフィック鉄道の世界最大級の蒸気機関車。TSでこの巨体を動かせるのは圧巻です。動態復元の整備が進んでいますが、完了した暁には音取材をしてくれるのでしょうか。

チャレンジャーは、ユニオン・パシフィック鉄道向けの大型関節式蒸気機関車。3985号機が本線上を走れる形で動態保存されています。

SD40-2の1両である3300号機。1994年、慈善団体「ユナイテッドウェイ」の協賛PRで星条旗をモチーフにした特別塗装がなされました。

ビッグボーイ
ビッグボーイ
チャレンジャー
チャレンジャー
SD40-2 ユナイテッドウェイ
SD40-2 ユナイテッドウェイ